久しぶりに映画館へ行った
2024年の夏、久しぶりに映画館へ行った。
それまでは数年に1度程度しか足を運ぶことがなかったのだが、たまたまある人が話題にしていて気になった作品を観に行ったのだ。
映画館のスクリーンと音響で映画を体験する素晴らしさを大いに感じつつ、何度か映画館へ足を運ぶなかで束の間現実から離れられる体験が楽しくなってきた。
以降頻繁に映画館へと通うようになって今に至る。
ちなみに観に行ったのは『関心領域』という映画である。ナチスのアウシュビッツ強制収容所所長ルドルフ・ヘスの家を題材とした作品だ。音による演出がそら恐ろしく、取り入れられた特異な映像表現の巧みさもあり非常に心に残る映画体験となったし、ひとつの歴史を知るきっかけにもなった。
2024年に観に行った映画
で、その後観に行った映画は以下となる。
- 関心領域
- あんのこと
- ツイスターズ
- デビルクイーン
- モンキーマン
- 福田村事件
- 顔さんの仕事
- 箱男
- マミー
- 侍タイムスリッパー
- ジガルタンダ・ダブルX
- 侍タイムスリッパー(2回目)
- ベイビーわるきゅーれナイスデイズ
- 犯罪都市 PUNISHMENT
- ドキュメンタリーオブベイビーわるきゅーれナイスデイズ
- エストニアの聖なるカンフーマスター
- 悪魔と夜ふかし
- シビル・ウォー
- シビル・ウォー(2回目:IMAX)
- 破墓 パミョ
- あみこ
- ナミビアの砂漠
- 最後の乗客
- 十一人の賊軍
- 柔らかい殻
- 地獄のSE
- TRAP
- 動物界
- ドリーム・シナリオ
- クルージング
- ロボット・ドリームズ
- 憐れみの3章
- 花嫁はどこへ?
- グレース
- りりかの星
- 極道恐怖大劇場 牛頭
- クラブゼロ
- リトル・ワンダーズ
- ノーヴィス
- ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!
その中で特に好きな作品を紹介
知らない世界に触れられたり、どこかヘンな映画が好きな気がしている。
2024年中に劇場で見た中で特に好きな作品をここで紹介したい(今後このブログで取り上げる作品の傾向が出るかもしれない)。
グレース
イリヤ・ポボロツキー監督のロシア映画『グレース』は2024ベストと言える好きな一本であった。役名すらない『娘』とその『父親』の不確かな放浪生活を描いたロードムービーである。移動映画館と違法コピーのDVD販売で放浪生活を送る二人の生活は、その旅路と同じくどうにも先行きが見えない。
映像の持つ空気感が大変すばらしく、ロシアの絶望的な広さと荒涼さにどうしようもない孤独や不安がつきまとい、思春期の『娘』の纏う想いと呼応するようなのだ。また実験音楽家zurkas tepla氏による劇伴も白眉で、その広大さに反比例するような閉塞感をじんわりと増幅する不穏さがたまらない。
極道恐怖大劇場 牛頭
映画の奇跡を感じずにはいられない三池崇史監督の「ヤクザホラー」である。おかしくなってしまったアニキを名古屋のヤクザ処分場へ運ぶことになった弟分が、コレ以上ない珍体験に見舞われる怪作。もともとはVシネとして作成されたこともあり、国内での劇場公開は21年目にして2024年が初。DVDでしか観たことがなかったが、年末に新文芸坐で観ることができた、というだけで2024年がなんかイイ年だった気がしてくるくらい好きである。
ついでに尊敬する作家である平山夢明先生のYouTubeチャンネル「平山夢明のシネマdeシネマ」と池袋の新文芸坐とのコラボイベント回を観ることができた。イベントでは平山先生・ギンティ小林氏・牛頭の脚本を書いた佐藤佐吉氏の御三方による超貴重な面白すぎるトークも併せて堪能できてこんなにすばらしいことはない!と感無量な年の瀬と相成った。
(以下の同時上映のサイレント映画『りりかの星』のサイトに牛頭情報が記載されている)
憐れみの3章
ヨルゴス・ランティモス監督による、鮮烈な映画体験をさせてくれた一作である。同じキャストによる異なる登場人物で構成された3つの中編によって、危うい「支配」と「依存」の関係性を描きだす。観るものの脳内を容赦なく踏み鳴らしてくる感覚が大変痛快。ロブスターや聖なる鹿殺しを作った監督の作品だけあり、奇怪な趣満点であった。かなり好き。
柔らかい殻
子どもの不確かな眼を介した世界の美しさと恐ろしさを堪能できるフィリップ・リドリー監督のリバイバル作品である。
少年の選択が悪夢的な事件に作用し、彼の「少年期」が完全に崩壊する様はあまりに壮絶…! 燃え盛るお父さん、不思議な魔女の家、黒塗りのキャデラック、そしてやはり冒頭のカエル大爆発からの顔面返り血絶叫未亡人そして青い空…とにかく印象的なシーンがたくさんあってすばらしい。重厚な音楽も聴き応え満点である。後ほどBlu-rayを買ってしまった。
シビル・ウォー アメリカ最後の日
分断されたアメリカでジャーナリストチームがワシントンD.C.を目指すというアレックス・ガーランド監督によるロードムービー。
有り得そうな未来像と容赦ない戦闘描写、そして実際にデカかったらしい銃声などのクソデカい音に戦々恐々とさせられるのだが、そこに乗る意外性のある音楽の使い方にハッとさせられて面白い。緊張感が一線を越えてなにかが麻痺してしまったかのような変な感覚を覚えてしまった。力を失いつつあるジャーナリズムに光を当てる映画だ。一度観てから、IMAXで再鑑賞したりした。
今年になり振り返って、まだ「有り得そうな未来」の可能性を残しているというかむしろこれからいよいよそうなりそうなムードすら感じられ、ヒヤヒヤものである。
ということで記録を残してみる
いつのまにか週ごとの新作をチェックするようになって、気になる映画の公開が待ち遠しい日々を送るようになっていた。
観に行くのは主に新作の映画だが、リバイバル作品もしばしば観に行く。また配信やソフト購入による鑑賞も増えた。
そんなわけでここにきて映画鑑賞が魅惑の趣味になったので、せっかくならと鑑賞した記録を書き記していく次第である。
あまり過去の名作を知らないので、そこらへんも徐々に知りつつ楽しみたいところ。